木のメンテナンス全般と特に木軸ペンのメンテナンスについてお話しします。
木軸ペンのメンテナンス
木材は呼吸をしています。
空気中の湿気を吸ったり吐いたりしていますので、乾燥が進むとひび割れや歪みが生じることがあります。
それでも、特に木のメンテナンスをしなくても使えますが、時々気が向いたときにオイルなどを塗ってあげると美しい状態を長く維持できるようになります。
木軸ペンのメンテナンスの頻度も特に決まっているわけでは有りませんが、年に数回程度が目安になります。
汚れや乾燥が気になったときに行っていただいても問題は有りません。
木軸ペンの汚れが気になるときに洗剤などは使用せず、オレンジオイルなどで拭き取るほうが、無難です。
それでも落ちないときは、中性洗剤の溶液をつけて固く絞った布などで軽く拭き取ってみて下さい。
この場合は、必要な油分まで落ちてしまいますので、木軸が乾燥したあとオイルとワックスを塗って下さい。
それをしないと、木の乾燥が進み、ひび割れなどの原因になります。
木のメンテナンスに必要なもの
オイルフィニッシュ仕上げとは、乾性油(くるみ油や亜麻仁油など時間経過で固まる油)を木材に塗って浸透させる仕上げ方法です。
木に浸透した乾性油が木の繊維の中で固まるので、木の呼吸を止めずに補強することができまが、時間経過とともに表面の油は取れていきます。それで、メンテナンスが必要とされています。
木軸ペンのメンテナンスとは、その油の補充をしてあげることだと言えます。
一般に販売されている「木工用オイル」を使用できます。
食用油(ごま油、サラダオイル、オリーブオイルなど)は使用しないで下さい。乾性油ではないので、ネバネバになるだけで効果は有りません。(くるみ油は使用できます)
木工用オイルも、たくさんの種類があり、自然塗料として販売されているものもあります。乾性油に溶剤を混合して乾燥を早めたりするっものですが、主に床やテーブルの天板などの用途向けに製造されています。
油絵の顔料を溶くときに使われるのは、亜麻仁油なのでそれを木軸ペンのメンテナンスに利用することもできます。
高級家具のメンテナンス用に販売されているオイルもあります。
メンテナンス用の場合は、汚れを落とす効果のあるオレンジオイルに亜麻仁油などの乾性油をブレンドしたものがあり、木軸ペンのメンテナンスにも向いていると思います。
木工用ワックスの利用
それ以外には、つや出し用の木工用ワックス(車用は絶対に不可)、オイルやワックスを拭き取る布などが必要になります。
どれも、一般に販売されているものですが、テーブルや家具に利用するものなので、木軸ペンのメンテナンスには量が多すぎて個人が購入されても無駄が多くなってしまいます。
木のメンテナンスキット
そこで、当社では、木軸ペンのメンテナンスように、オレンジオイルと乾性油をミックスしたメンテナンスオイルを小分けして提供しています。メンテナンスの方法などは、当社で提供しているメンテナンスキットを例に解説していきます。
木軸ペンのメンテナンスキット の使い方
木軸ペンのメンテナンスキットの使い方がよく解らないというご指摘をいただきましたので、少し詳しくご説明いたします。
木軸ペンのメンテナンスキットの内容品
- 木工用オイル(白いキャップ)
- 制作時に使用しているオイルです。オレンジオイルに椿オイル、亜麻仁油を混合したものです。
- 汚れ落とし、乾燥防止の効果があります。
- 木工用ワックス(黒いキャップ)
- 制作時に使用している仕上げ用のワックスです。蜜蝋とカルナバワックスにオレンジオイルを混ぜて使いやすくしてあります。
- 防水・乾燥防止、艶出し効果が期待できます。金属のような輝きではなくしっとりとした艶がでます。
- ソフトクロス(拭き取り用・下敷きになってます)
- 普通のメガネ拭きです。オイル・ワックスの拭き取りにご利用下さい。このままペン本体の拭き取りにも使用できます。
木軸ペンのメンテナンスの時期や頻度
特にメンテナンスをしなくても使えます。
木軸ペンのメンテナンスに特に決まり事は有りませんが、年に数回(2〜3ヶ月に一度)オイルやワックスを塗っていただくと木が喜びます。
木軸ペンのメンテナンスをすることでひび割れなどの防止になるので、結果的に美しく長持ちさせる事ができると思います。
何よりも日常的につかっていただくのが、一番の木軸ペンのメンテナンスになると思います。
ご使用方法
木軸ペンのメンテナンスにオイルとワックスを使用する場合
- はじめにクロスで表面の汚れを軽く拭き取ります
- 白いキャップのオイルをティッシュなどにごく少量(1〜2滴)取ります。
- ティッシュにとったオイルをペンの木軸部全体に薄く塗り伸ばします。
- オイルが浸透するまで5分くらい放置して下さい。
- オイルが浸透したら(塗ってすぐでも構いません)余分なオイルを拭き取り用クロスで拭き取って下さい。汚れが気になるようでしたらその部分に多めにオイルを塗り拭き取って下さい。オイルで汚れが取れない場合でも洗剤などは使用しないで下さい。ひび割れなどの原因になります。
- 次にワックスを塗ります。オイルの乾燥を待つ必要はありません。オイル拭き取り後すぐにワックスを塗っていただいて問題有りません。オイルの乾燥後に塗っていただいても構いません。
- 黒いキャップのワックスを、少量ティッシュか柔らかい布に取ります。このときワックスが固まっていることもありますのでよく振ってからキャップを開けると柔らかくなっています。
- ペンの木軸部全体に薄く塗り伸ばします。余分なワックスは後で拭き取りますので厚く塗る必要は有りません。
- 1〜2時間程度放置して乾燥するのを待って下さい。
- ワックスが乾燥したら、拭き取り用クロスで拭き取って下さい。拭き残しがありますとベタついたりして使用する時に不快感が残ります。きれいに拭き取って下さい。
- すぐに使えますが、一晩くらい放置していただくとベタつきがなくなります。
- 以上でメンテナンス終了です。
オイルだけを使用する場合
- 上記の1〜3までは同じです。
- 放置時間は1〜2時間放置しておいて下さい。可能であれば一晩放置して下さい。
- オイルが乾燥したら拭き取り用クロスできれいに拭き取って下さい。
ワックスを塗らなくても乾燥防止などの効果はありますので、十分にメンテナンスの効果は期待できます。
ワックスだけを使用する場合
ワックスだけでも木軸ペンのメンテナンスはできます。
- オイルを塗る過程を省略します
- 拭取用クロスで汚れを落としてからワックスを塗ります。
- 乾燥するのを待って拭き取ります。
- 以上で終了です。
汚れ落としにはなりませんが、防水、保湿、艶出し効果が期待できます。
ワックスは使用しているうちに落ちていきますので、次にメンテナンスする時にオイルを塗っても問題有りません。
メンテナンスで注意すること
車用ワックスは不可
木のメンテナンスに車用のワックスなど乾燥したら粉状になるワックスは絶対に使用しないで下さい。
白い粉が木目に入り込んで取れなくなってしまいます。
木工用のワックスやコンパウンドでも塗装したあとに使用する用途のものは、同様に使用しないで下さい。
オイルの後にワックス
ワックスを塗ったあとすぐにオイルを塗ると先に塗ったワックスが落ちてしまいます。ワックスが無駄になりますのでおやめ下さい。
洗剤よりもオレンジオイル
家庭用の洗剤などはご使用にならないで下さい。ひび割れなどの原因になります。どうして汚れが気になるようなときは薄めに伸ばした中性洗剤を含ませた柔らかい布で拭き取るなどしたあとオイルを塗って下さい。
市販のメンテナンス用品も使えます
市販の家具やフローリング用の木のメンテナンスオイルや蜜蝋ワックスはご使用いただけます。
蜜蝋は融点が低いので手に持っていると溶けてくることがあります。ご使用になるときはお気をつけ下さい。
まとめ
付属のメンテナンスキットだけでも数年は使えると思いますのでご活用下さい。
もし追加で必要な場合はお問い合わせ下さい。
時々、気が向いたときで結構です。メンテナンスをしていただけるなら木が喜んで長持ちしてくれるのではないかと思います。
長くお側においていただけることを願っています。宜しくお願い申し上げます。