槐の小鉢二種

今回は槐シリーズの小鉢編です。お椀やお茶碗に比べて小鉢は大きさや形の自由度は大きいと思います。特に定型という物はなくて丸でも四角でも良いし深さや大きさも常識的な範囲であれば問題なく小鉢になると思います。それでも、料理を入れるものですから料理を引き立てる器という範疇は越えられません。それに、材料による制約というのは当然ながらあるわけです。今回は17センチ幅が取れたので少し大きめの小鉢を作ってみました。

小鉢というにはやや大きすぎる感じがしています。ひょっとして剣山を置いて花器にする方が良いのかもしれません。このように小鉢は色々と形を変えて作ることができる食器といえます。

端材利用なので、白太(丸太の外縁部)の部分が大きいのでそれを生かすことも大事です。下の部分は寸法が足りないのでほとんど削っていませんから、ざらざらしています。それに対して上部は磨いていますので赤みのところよりも光沢が強く出ています。一見大理石のようにも見えます。このようなコントラストも樹木ならではの面白さではないかと思います。欠けているところは、死節が外れたところです。本来は不良品ですが、実用に支障ないので、これも装飾の一つと考えるようにしています。もちろん怪我はしないように面取りをして磨いています。

もう一つは、サラダボール風の形です。直径は15センチほどなので上記のものより少し小さめです。高さは同じ7センチです。あえて高台は作らずベタ置きです。

お茶碗やお椀は手に持つ事が多いので高台がなければ使いにくいと思います。しかしサラダボールの場合は、テーブルに置いたままで使うので、高台のある無しはそれほど重要ではないと思います。小鉢類は、料理を作る人と食べる人の意図によって様々な使い道があるように思います。それなりのバリエーションが必要です。この器にはどのような料理を盛り付けてどのように食べるのが良いのかなどを考えながら、色々な形の器を作って行くのも楽しみの一つです。

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